高感度 濁度計 tr-55
LED光源からの平行光束は濁度物質により激衰して透過光受光部に到達します。一方、光源に対して90°方向に配置された受光部は濁度物質により比例して発生した散乱光量を同時に測定して、低濃度から高濃度までの濁度を正確に測定することができます。又、従来の濁どの測定単位はカオリン濃度(mg/L="度")またはホルマジン濃度(NTU="度")で表されてきましたが、水道法水質基準省令改正(厚生労働省令101号)に対応して本器はポリスチレン濁度("度")を標準としています。更に本器は上水試験方法や工業用水試験法(K0101)に準拠した透過散乱光測定方式で微量濁度を高感度で測定出来ます。
ポリスチレン濁度
平成15年、水道法水質基準に関する省令改正(厚生労働省令第101号)で平成16年4月1日から濁度標準物質にポリスチレン系粒子懸濁液(5種混合)を適用し測定単位はポリスチレン濁度"度"で表すことになりました。新バージョンの濁度計tr-55は改正水道法省令に対応したポリスチレン濁度仕様でお客様にお届けします。
この水道法改正による混合ポリスチレン濁度標準液(度)は従来のカオリン濃度標準液(度=mg/L)に相当しますが、測定単位をmg/Lで表すことができません。あくまでも測定単位は"度"です。ポリスチレン濁度標準液は従来のフォルマジン濁度標準液とほぼ同等の安定性があり、校正値の再現性と信頼性が高く、標準液のバラツキがほとんどありません。
特長
- 散乱透過光測定方式
低濃度から高濃度まで高感度で測定 - 3レンジ自動切換え測定
0~10.99/11.0~109.9/110~1100度 - 確実なゼロ校正
迷光のないゼロ校正セル、確実な0.00校正 - 信頼の測定値
迷光のない測定セル、0.1度以下の分解能
計器仕様
測定単位 | "度"(5種混合ポリスチレン濁度標準) (オプション ホルマジン濁度"FTU") |
測定範囲 | 0.00~1100度 3レンジ自動切換え |
表 示 | 液晶 3.1/2桁 |
分解能 | 0.01度/0.00~10.99度 0.1度/11.0~109.9度 1度/110~1100度 |
測定精度 | ±2%以内(100度以下/FS) ±3%以内(1000度以下/FS) |
自動電源切断 | 測定値ホールド5秒間後自動電源OFF |
電 源 | 単4アルカリ乾電池(LR03×4ヶ DC6V) |
外形寸法 | 88×174×65(mm) |
重 量 | 約310g |
標準付属品 | 本体(乾電池付)、濁度標準液 10度:30mL、100度:30mL、 測定セル:4ヶ、キャリングケース |
※実際の試料水の濁度物質の色や粒子の大小、密度によっては測定方式の差で他の方式の濁度計と測定値が一致しない場合がありますが、異常ではありません。
濁度、色度の適用用途と水質基準参考資料 (平成14年9月)
滴用施設 | 項 目 | 省 令 | 水質基準値 | |
濁 度 | 色 度 | |||
水道法水質基準 (浄水場、簡易水道、受水槽) |
水道により供給される水質 快適水質濃度 |
厚生省令第69号 平成4年12月 給水栓出口で 送配水施設入口で |
2度以下 1度以下 0.1度以下 |
5度以下 |
水道施設の 技術的基準 |
ろ過後の水質 | 厚生省令第15号 平成12年2月 |
0.5度以下 | |
浄水場 | ろ過池出口 クリプトスポリジウム対策 |
厚生省令水248号 平成8年10月 |
0.1度以下 | |
公衆浴場 | 水質基準 レジオネラ症発生予防対策 |
厚生省令 平成12年12月 |
2度以下 | 5度以下 |
遊泳プール | 衛生基準 | 厚生省令健発774号 平成13年7月 |
2度以下 循環ろ過装置の 出口は0.5度以下 (0.1度以下が望ましい) |
濁度とは
濁度とは水の濁りの程度を示すものである。
濁度の比較対象の標準物質
ポリスチレン濁度標準:平成15年 厚生労働省 水道法水質基準に関する省令改正(101号)で濁度標準に5種混合ポリスチレン系粒子懸濁液が適用されました。測定単位はmg/Lではなく「度」となります。
カオリン(白陶土)濁度標準:カオリン(白陶土)の均一粒子を精製して調整した濁度標準液。測定単位はカオリン濁度 mg/L(度)
ホルマジン濁度標準:水中に分散したホルマジンポリマーの粒子はカオリン粒子に比べて粒子が均一で分散性がよく、安定した濁度標準液測定単位はホルマジン濃度 NTUまたは、FTU(度)
濁度測定方法
透視比濁法:比色管、透視比濁度用暗箱と濁度標準液を使用しての目視で透視比濁する濁度測定方法
透視光測定方法:光電光度法の一つで水中に一定の光が入射すると濁度粒子に反射、散乱して透過光が光路長と濁度の濃度に比例して減ります。この透過光を測定することで濁度を求める測定方法。
散乱光測定方法:投光部に90度の角度に配置した受光部で校正された光学系の濁度検出器に濁度物質を含む検水が存在すると、濁度に比例した散乱光が発生するので、この散乱光を測定することで特に低濃度の濁度を感度良く測定することができます。
積分球式測定方法:光が濁度粒子によって生じる散乱光量を積分球で測定すると共に全光量を測定してその比率から濁度を求める方法。
粒子計測法:レーザー光を利用した特に低濃度専用濁度計に適用される。
表面散乱光測定法:光学測定部が検水に無接触なので光学窓ガラスの汚れによる測定誤差の心配が少ない。低濃度から高濃度まで直線特性で制度良く測定出来る。
濁度計でSS濃度を測りたい
SSの語源はSuspended Solidの略で浮遊物質の意味である。光学的な濁度計とSS濃度の関係は一定ではないので相関関係を求めて相関性が高い場合は濁度の測定値からSS濃度を求めることができる。
濁度計とMLSS計の違い
MLSS計は通常1000~20000mg/Lくらいの汚泥濃度を透過光で測定しているので、広い意味で高濃度濁度計であるといえます。MLSS計は汚泥濃度電用測定器であるので、慣習的にMLSS計と呼ばれて、濁度計とは分けています。濁度計は通常100度以下、または1000mg/L以下の低濃度側の場合慣習的に濁度計と呼ばれているようです。
濁度計のメンテナンスについて
低濃度側測定の濁度計はプローブ型検出器の場合は投光部、受光部の窓ガラスの汚れ、ガラスセルの場合はガラスセルの汚れが測定精度に敏感に影響するので常にガラス窓は綺麗に清掃して使用しなければならない。