透視度センサー TP-30
概要
【従来】
透視度測定は従来、JIS法に基づく目視測定式透視度計が用いられてきました。
【問題】
この透視度の値は測定者の視力、測定場所の明るさ、試料の状態などが測定値に影響して測定者による主観的なバラツキが発生する。
【解決】
一体型電子式透視度センサーTP-30は電子の目(光センサー)により測定の誤差要因を解消して、再現性ある迅速な透視度測定が可能になりました。
特長
- デジタル表示、電子式透視度計
デジタル表示なので測定者による読み取りのバラツキがない - 一体型透視度センサー
測定容器またはポリ瓶での採水測定可能 - 近赤外光で外部光の影響が少ない
昼夜、曇り、晴れ、天候を選ばずに測定OK - 60mm長光路式透視度センサー
高感度測定、迅速測定、再現性が良い - 簡易校正フィルター標準付属
校正液を使用せずに透視度センサーの校正と点検が可能です - 衝撃防止用検出器緩衝ゴム
衝撃から検出器を守る検出器緩衝ゴム標準付属
仕様
品 名 | 一体型透視度センサー |
型 式 | TP-30 |
測定方式 | センサー部浸漬測定 |
測定原理 | レンズ集光式透過光測定 |
測定波長 | 近赤外光 880nm |
測定範囲 | 2.0~200cm |
表 示 | LCD 3桁 |
最小分解能 | 0.1cm(2.0~99.9cm) 1cm(100~200cm) |
再現性 | ±3%(FS)以内(一定条件で) |
校 正 | ①簡易校正フィルター ②校正用等価標準液(別売) |
周囲温度 | 0~40℃、湿度 95%RH以下 |
保護構造 | 防塵/防滴構造(IP63相当) |
電源電圧 | DC6V(単5アルカリ乾電池×4ヶ) オートパワーオフ機能 |
材 質 | POM,ゴム |
外形寸法 | 48×32×320mm |
重 量 | 約300g |
標準付属品 | 透視度センサー、衝突防止ゴムカバー、ケース、乾電池、 測定容器(PVC)、取扱説明書、簡易校正フィルター |
標準外付属品 | 校正用等価標準液 250mL |
※不特定多数の検水測定の場合、検水の色調等によっては目視法による実測値と測定値が異なる場合があります。このような場合は目視法との相関を求めるか、または目視法による測定値に計器を校正することで補正測定を行ってください。
適用用途
- 下水、工場排水放流水
- 浄化槽放流水
- プール、河川水
- BOD測定時の希釈倍率推定
透視度とは
透視度は比較的高濃度の試料水を測定するのに有効で主に採水現場で濁度のかわりに測定します。
河川水や原水の濁りの指標になります。
透視度測定法
透過光吸光光度法測定(TP-2Z) 透視度センサーのスパン校正する正式な標準液を定義することは困難です。吸光光度法は不特定多数の検水の場合、検水の性状、SS、色相などの影響で目視法の透視度と異なってしまう場合があります。
TP-2Zは近赤外線、パルス点灯式の透視度検出法方を採用しておりますので比較的にこのような外的影響を受けにくい構造ではありますが、完全に影響をカットすることはできません。
どうしても目視法透視度測定値にTP-2Zの指示値を一致させて求める場合は、検水ごとに校正して頂くことになります。もしくは検水ごとにTP-2Zの指示値と目視法透視度との相関係数を求め、計算して求めてください。
透視度計とは
目視法(JIS法):試料水を円筒の透視度計に満たし、上からのぞきながら下口から試料水を流出させ、底の標識板の二重十字が見えた時の水面の高さ(cm)が透視度になります。透明円筒の目盛りから【cm】単位で読み取ります。欠点として、明るさや人によっての誤差が大きくなります。
透視度センサーとは
電子式透視度計(デジタル表示):近赤外線透過光測定方式で、光路長60mmの高感度透視度計。周囲の明るさや、測定者による測定値のバラツキが無く、どこでも、誰でも、迅速に同じ測定値が得られるので測定時間の大幅な短縮化になりました。機種として2機種あります。
①一体型 透視度センサー 測定範囲:2~200cm
②プローブ型 透視度センサー 測定範囲:2~200cm/0~2Abs/60mm
※透視度の逆数は濁度やSS等と良好な相関性を示すことがあるので、応用使用で透視度を測定することで濁度やSS等を推測することも可能。
透視度センサーの応用例
- 透視度の逆数と濁度は良好な相関性が認められる
(相関性を求めて透視度から濁度を推測する事ができる) - 透視度の逆数とSSは良好な相関性を示すことがある
(ある特定の現場の試料水の透視度からSSを推測することが可能 - 透視度の逆数とBODは良好な相関性を示すことがある
(ある特定の現場の試料水の透視度からBODを推測することが可能) - 透視度測定値からBOD測定の希釈倍率の推測
(BOD測定時の予備希釈操作時間の大幅短縮可能) - 吸光度測定機能があるので便利(TP-10Z)
(透視度以外の他水質項目を吸光度単位で測定が可能)
※透視度と濁度、SS、又はBODはある特定の試料水の場合に、良好な相関性を示すことがあります。不特定の試料水の場合は、別途にそれぞれの測定データから相関性を求めて透視度センサーをご使用ください。
濁度とは
水の濁りの指標で標準物質としてカオリン(mg/L)、ホルマジン(FTU or NTU)またはポリスチレン(度)がある。測定方法としては透過光測定法、散乱光測定法、積分球法などがある。濁度は透視度やSSと良好な相関性を示すことがあります。
SS=浮遊物質とは
水の汚染度を示す指標でSuspended Solidの略でTSSとも言う。
SSの測定方法はグラスファイバーろ紙で試料水をろ過⇒乾燥(105℃)⇒計量(天秤で乾燥前後の重量を)する。
全測定操作が終了する迄、約2時間以上必要になる。
計算式: SSmg/L:⇒計算(a-b)×1000÷試料(mL)