濁度/色度センサー TCR-5Z
厚生労働省令、水質基準により、水道水や浴槽、遊泳プール水等の濁度と色度の測定をし、適切に水質管理をする事が定められています。また、品質管理や各種の分野で濁度と色度の測定の必要性が高まってきました。本濁度・色度センサーTCR-5Zは計器と分離されたプローブ型検出器で各種の水の濁度・色度を同時に表示→測定する事ができます。更に検出器はダブルビーム式光学センサー採用で色度測定における濁度の試験法や厚生労働省水質基準に関する省令に定める検査方法に準拠した透過光測定法(吸光光度法)ですが検量線の作成の必要がなく、0~50度までの濁度と色度を現場で感嘆に高感度で測定ができます。
10度以下の濁度と色度は測定モード切替により最小分解能を0.1→0.01の単位で切替表示→測定できます。さらに検出器はダブルビーム光学系採用で、色度測定における濁度の影響をほとんど受けない高感度濁度・色度センサーです。
特長
- 吸光度測定機能付で公定法濁度色度測定が可能
- プローブ型 採水測定
- 濁度色度検出器で測定場所を選ばない
- 1台で濁度と色度と吸光度、同時測定可能
- 濁度の影響がなく高感度色度測定が可能な濁度補正付き
- ダブルビーム式濁度・色度センサー
- 小数点以下二桁の分解能(10度まで)
品 名 | プローブ型濁度・色度センサー | |
型 式 | TCR-5Z | |
測定原理 | ダブルビーム透過光測定法(吸光光度法) | |
測定範囲 | 色度:0.0~50.0度(白金コバルト色度標準) 濁度:0.0~50.0度(ポリスチレン濁度標準)/(ホルマジン濁度変更可) 吸光度:0.000~1.999Abs |
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測定方法 | センサー部浸漬測定、表示10秒後オートパワーオフ | |
表 示 | 3・1/2桁LCD 濁度・色度(又は吸光度)同時表示 | |
分解能 | 0.1度(10度以下で0.01度に切り替え表示可能)/0.001Abs | |
再現性 | ±0.2度以内(一定条件で) | |
警報表示 | BAT,CAL,S,ERR,TURB,COLOR,Abs測定範囲外上限値で点滅表示 | |
校 正 | ゼロ:純水による スパン:別売標準液"10"度によりスパン校正可能 (出荷時に校正しています) |
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測定水条件 | 5~35℃(凍結しない事、直射日光を避ける事) 有機溶剤、強フッ素等共存不可、強酸アルカリ水避ける事 |
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保護構造 | 防塵、防滴構造(IP63相当) (但し検出器プラグが計器に適切に接続された条件) |
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電源電圧 | アルカリ乾電池 LR03(単4)×3ヶ(DC4.5V) | |
外形寸法 | 計器本体 38×75×180mm 検出器 TCR-5ZD:φ34×235 |
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重 量 | 計器本体:約270g 検出器:約350g(ケーブル別) | |
ケーブル長 | 2m | |
標準構成 | 濁度・色度センサー(本体)、乾電池(内蔵)、取扱説明書、 保証書、携行ケース |
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標準外付属品 | 濁度標準液(5種混合ポリスチレン)10度 250mL 色度標準液(塩化白金酸コバルト)10度 250mL |
※実際の試料水の濁度物質の色や粒子の大小、密度によっては測定方式の差で他の方式の濁度計と測定値が一致しない場合がありますが、異常ではありません。
※試料水の気泡にご注意下さい。
濁度とは
濁度とは水の濁りの程度を示すものである。
濁度の比較対象の標準物質
ポリスチレン濁度標準:平成15年 厚生労働省 水道法水質基準に関する省令改正(101号)で濁度標準に5種混合ポリスチレン系粒子懸濁液が適用されました。測定単位はmg/Lではなく「度」となります。
カオリン(白陶土)濁度標準:カオリン(白陶土)の均一粒子を精製して調整した濁度標準液。測定単位はカオリン濁度 mg/L(度)
ホルマジン濁度標準:水中に分散したホルマジンポリマーの粒子はカオリン粒子に比べて粒子が均一で分散性がよく、安定した濁度標準液測定単位はホルマジン濃度 NTUまたは、FTU(度)
濁度測定方法
透視比濁法:比色管、透視比濁度用暗箱と濁度標準液を使用しての目視で透視比濁する濁度測定方法
透視光測定方法:光電光度法の一つで水中に一定の光が入射すると濁度粒子に反射、散乱して透過光が光路長と濁度の濃度に比例して減ります。この透過光を測定することで濁度を求める測定方法。
散乱光測定方法:投光部に90度の角度に配置した受光部で校正された光学系の濁度検出器に濁度物質を含む検水が存在すると、濁度に比例した散乱光が発生するので、この散乱光を測定することで特に低濃度の濁度を感度良く測定することができます。
積分球式測定方法:光が濁度粒子によって生じる散乱光量を積分球で測定すると共に全光量を測定してその比率から濁度を求める方法。
粒子計測法:レーザー光を利用した特に低濃度専用濁度計に適用される。
表面散乱光測定法:光学測定部が検水に無接触なので光学窓ガラスの汚れによる測定誤差の心配が少ない。低濃度から高濃度まで直線特性で制度良く測定出来る。
濁度計でSS濃度を測りたい
SSの語源はSuspended Solidの略で浮遊物質の意味である。光学的な濁度計とSS濃度の関係は一定ではないので相関関係を求めて相関性が高い場合は濁度の測定値からSS濃度を求めることができる。
濁度計とMLSS計の違い
MLSS計は通常1000~20000mg/Lくらいの汚泥濃度を透過光で測定しているので、広い意味で高濃度濁度計であるといえます。MLSS計は汚泥濃度電用測定器であるので、慣習的にMLSS計と呼ばれて、濁度計とは分けています。濁度計は通常100度以下、または1000mg/L以下の低濃度側の場合慣習的に濁度計と呼ばれているようです。
濁度計のメンテナンスについて
低濃度側測定の濁度計はプローブ型検出器の場合は投光部、受光部の窓ガラスの汚れ、ガラスセルの場合はガラスセルの汚れが測定精度に敏感に影響するので常にガラス窓は綺麗に清掃して使用しなければならない。
色度とは
ここで、色度とは水中に含まれる溶解性物質及びコロイド性物質が呈する類黄色ないし黄褐色の程度をいいます。色度1度とは、精製水1Lに塩化白金酸カリウム中の白金1mg及び塩化コバルト中のコバルト0.5mgを含むときの呈色に相当するものです。「色」と「色度」とは別の概念です。「色」はスペクトル組成の異なる光に対し、視覚が感じる色調であり原則として「外観」の項によって測定する。「色度」は塩化白金酸コバルトの類黄色を標準列として比較する程度です。比色法で表す「色度」は標準列の類黄色との目視による比較であり、透過光測定法での「色度」は類黄色を390nmの吸光度で比較します。
色度測定方法(JIS)
検水 100mLを濁度用比色管に採る。別に、色度標準液0、1.0~20mLを段階的に数個の濁度用比色管に採り、各々に精製水を加えて100mLとし、これを標準列とする。次にこれらを白紙上または反射板を白色にした透視比濁用暗箱に入れて、濁度用比色管の上方から透視し、検水の色を標準列の色と比較して該当する色度標準液のmL数(a)を求め、次式によって試料の色度を算出する。
色度(度)=a×1000/検水のmL×0.1
※試料が濁っている場合は、濁りを取り除いたものを検水とする。
簡易色度測定方法(透過光測定方法)
CR-30:水中に含まれる溶解性物質、及びコロイド性物質が呈する類黄色ないし黄褐色の程度を吸光光度分析法により波長390nm付近で吸光度を測定する方法である。
TCR-30:水中に含まれる溶解性物質、及びコロイド性物質が呈する類黄色ないし黄褐色の程度を吸光光度分析法により波長390nm付近で吸光度を測定する方法である。濁度を同時に測定し、濁度分を補正して露度を測定しているので高精度に色度の測定ができます。
TCR-5Z:計器と検出器が一体化され、片手で操作できる濁度・色度センサー。計器と検出器は分離されたケーブルで接続された濁度・色度センサーです。濁度と色度を1本のプローブ検出器で測定し、同時表示されます。採水測定、没水測定、連続測定ができます。
連続式色度モニター(:透過光測定方式)
CR-502:水中の色度を連続的に測定します。
TCR-502:水中の色度と濁度を連続的に測定します。