DOP-10Z
- 1台で5項目測定可能⇒DO/気中酸素/水温/pH/ORPを1台で測定可能
- DOとpHを同時表示/測定⇒DOとpHを同時に測定出来ます
- 測定値ホールド機能付⇒2項目表示されたDO,pH測定値をホールドして正確な読み取りが可能
- RoHS対応⇒鉛フリーハンダ化を実現。回路実装基盤は鉛フリーハンダ採用(但しセンサーは除く)
特長
- カートリッジ式DOセンサー「OXNIT」オクスニット
- ロングライフDOセンサー
- DOモードは塩分補正機能付き
- 汚れ防止ビニールカバー標準付属
用途
下水・し尿・合併浄化槽・農業集落排水・工場排水、養殖場、河川、湖沼等
仕様
品 名 | DO/pH計 | |
型 式 | DOP-10Z | |
DOモード(CH1) | pHモード(CH2) | |
測定範囲 | 溶存酸素(DO):0~30mg/L 気中酸素(O2):0.0~30.0%(O2) 水温(TEMP):0~50℃ |
pH:0.00~14.00 mV:-1900~1900(電極起電力) ORP:-1900~1900(ORP起電力) |
分解能 | 溶存酸素(DO):0.01mg/L 気中酸素(O2):0.1%(O2) 水温(TEMP):0.1℃ |
pH:0.01 mV:1mV ORP:1mV |
再現性 | 溶存酸素(DO):±0.1mg/L以内 気中酸素(O2):±0.1%(O2)以内 水温(TEMP):±0.2℃以内 |
pH:±0.02以内 mV:±1mV以内 ORP:±1mV |
校正方法 | DO:空気スパン校正 | pH:pH7,4(又は9)標準液による |
塩分補正 | 淡水/海水切換え機能付 | |
温度補償 | 自動温度補償付 | |
周囲使用温度 | 0~45℃ | |
電 源 | DC4.5V(単4 LR03×3ヶ) オートパワーオフ機能(30分後) |
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外形寸法 | 本体:70(W)×36(H)×170(D)mm | |
重 量 | 本体:約290g | |
標準構成 | 本体(乾電池付)、 検出器(pH検出器は投込型CE-120-3か採水型CE-106を選択してください。) 取扱説明書、保証書、飽和表、ストラップ、ビニールカバー |
DO検出器 | pH/ORP検出器 | |
型 式 | DOプローブ:OX-2VN DOセンサー:OX-V2 |
投込型:CE-120-3(内部液無補充型) 採水型電極:CE-106(ケーブル1m) |
測定原理 | DO:隔膜ガルバニ電極法 センサー交換式 水温:半導体温度センサー |
pH:ガラス電極法 ORP:白金電極法 水温:半導体温度センサー |
ケーブル長 | 3m(標準) (ご指定:ケーブル延長10mまで) |
投込み型 3m 採水型 1m |
DOとは
Dissolved Oxygenの略。溶存酸素の意味。測定単位はPPMまたはmg/Lで現します。(JIS規格ではmg/L)
PPMとは
Part Per Millionの略。百万分の一の意味。mg/Lと同義語。1mgの酸素ガスが1Lの水に溶けていることを1mg/Lといいます。
1mg/Lの溶存酸素とは
約0.75cc(20℃)の体積の酸素ガスが1Lの水に溶解した状態を言います。空気の温度が0℃では0.7ccの体積になります。(ボイル・シャルルの法則)
DOは水の温度により飽和溶解度が異なります。
例:純水、1気圧の状態で、 20℃=8.84mg/L、0℃=14.16mg/L(飽和表参照)
DOは炭酸同化作用によって増えます。
水中に水生植物や藻等が生息していると夜間酸素が放出されDOが増えます。
DOの測定方法
ガルバニ電極法:酸素に対する透過性の高い隔膜(テフロン膜等)で、極と電解液とを溶液から隔離している。電極の材料として対極に卑金属を、作用極に貴金属を用い、電解液としてアルカリ水溶液を使用するのが一般的である。このDOに比例した電流を測定し、濃度を測る。
ポーラロ電極法:作用極に貴金属、対極に銀、隔膜にテフロン系の膜、電解液に塩化カリウム溶液が通常用いられる。両極間に酸素の限界拡散電流を生じ電圧が印加され、隔膜を透過した酸素が作用極で還元され、DO濃度に比例した還元電流が流れる。外部電源を要するので、残余電流がでる。
DO測定時に流速が必要な理由
隔膜法では隔膜を透過する酸素は電極内部で消費されてしまうため、一定の流速を与えることで酸素を隔膜の内側に供給し続けなければならない。隔膜の厚みによって必要な流速は異なる。
エアーキャリブレーション(空気校正)とは
飽和DO値の設定に当たり、飽和DO水を使わないで酸素分圧の等しい空気を基準として100%、又はmg/Lの設定を行う最も現場に適した設定方法
DO測定時の良くある質問
Q:曝気しているのに測定値がゼロを示す
A:溶存酸素の需要と供給のアンバランスに原因
バクテリアは酸素を供給源とし、有機物を食べて増殖し活性汚泥となります。
曝気槽に流入するBOD負荷(有機物)が多い場合、バクテリアは増殖し無限に酸素を必要とします。
この場合、SV値が高い、MLSS濃度が高い等の現象で確認できます。
Q:DO値が高すぎる
A:曝気槽に流入するBOD負荷(有機物)が少ない場合、活性汚泥菌は食べる餌、栄養分がないので、いくら酸素を送っても増殖せず、活性汚泥菌の共食いが始まり、やがてバクテリアは消滅に至ります。従って、バクテリアは酸素をそれほど必要とせず、ブロワからの総風量が一定とすれば、DO値は高くなります。場合によってはDO値が過飽和になる場合もあります。
pH測定方法
比色法:リトマス試験紙、BTB、CR、PRなど
電極法:水素イオン活量に相当する電位を示すガラス電極とpHに無関係に常に一定の電位を示す比較電極(参照電極)とから構成され、両電極間に発生した電位差を電位差計で測定する方法である。
pH電極の感度チェック方法
pH7とpH4、またはpH9の標準液にpH電極をそれぞれ浸けてpH計のモードをmVにして下記の数値の範囲内で正常です。
pH7:0±25mV
pH4:160±25mV
pH9:-120±25mV
この範囲外の場合は電極内部液交換、液絡部、ガラス膜の洗浄等を実施してください。それでも電極性能が回復しない場合は電極の寿命であり、交換が必要になります。
pH電極の周りが白くなる
内部液の塩化カリウムの結晶が乾燥して付着するもので異常ではありません。
水、またはぬるま湯に電極を入れれば結晶は溶けます。
pH電極の寿命は
使用する検液の種類、使用状態、保存状態等により異なりますので規定はありません。電極は消耗品です。
なぜ、ORPを計るか
有機排水の場合、排水処理の窒素硝化反応、COD等の挙動を知る上での重要な指標を求めるために計ります。KRK製のpH系はKP-5Zは一つの電極で、pHとORPを測定できます。
比色法と測定値が異なる
水道水等には脱色作用がある残留塩素が存在しているので比色法によるpH測定値はガラス電極式pH計による測定値より通常低く測定されます。オゾンや残留塩素の存在する水のpH比色測定は不可。
油、有機溶剤、アルコール等のpH測定はできるか
水素イオンの溶けている状態が水溶液とは異なるのでこれらの非水溶液のpH測定は不可。
CODとは
水中に含まれる有機物質質量の指標の一つ。化学的酸素要求量のこと。CODとは、水中の被酸化性物質が酸化剤で化学的に酸化されるときに消費される酸化剤の量を対応する酸素の量で表したものです。酸化剤として、過マンガン酸カリウムや、重クロム酸カリウムを用います。
測定方法
酸性法:硫酸酸性にした検水に過マンガン酸カリウム溶液を加えて煮沸すると、検水中の被酸化性物質は酸化され、過マンガン酸カリウムが消費される。しかし、その反応速度は被酸化性物質の種類によって異なるので、本試験方法では、煮沸時間を5分間と限定している。
BODについて
水の汚濁状態を表す有機汚濁指標の一つ。生物化学的酸素要求量のこと。水中の還元物質が、微生物の呼吸作用により酸化される際に消費される酸素量。通常20℃、5日間で消費された溶存酸素量をmg/Lで表す。硝化細菌が多く増殖し、硝化の進んでいる試料では、通常のBODの測定により得られる値(通常BOD)は、有機物質が生物化学的に分解され安定化するために要する酸素量(C-BOD)と、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が硝化細菌により酸化されるために要する酸素量(N-BOD)の和である。
標準BOD=(C-BOD)+(N-BOD)
TOCについて
有機汚濁指標の一つ。全有機炭素とも言う。水中に存在する有機物質中の炭素量をmg/Lで表したものです。測定には主に燃焼-赤外線分析法が用いられます。少量の試料を高温(900~950℃)で燃焼させ、発生した二酸化炭素量を測定し、全炭素量を求めます。別の試料を有機物質が分解されない温度(約150℃)に保ち、生成した二酸化炭素量を測定し、無機炭素量を求める。全炭素量から無機炭素量を引いた量をTOC量とします。