DO計 DO-30N
本DOセンサー「DO-30N」はセンサー部と計器が一体化されたケーブルレス"DO計"でケーブル断線等のトラブルが無く、試料を採水して迅速にDO測定ができます。
また、DOセンサーはガルバニ式で長寿命、簡単に交換できます。
特長
- 長寿命で確実な2ピン式DOセンサー接触子
- 防水を強化、ダブルOリングのセンサー
- 保守が簡単なガルバニックセンサー交換式
用途
下水、し尿、合併浄化槽、農業集落排水、工場排水、養殖場、河川、湖沼等
仕様
品 名 | 計器一体型"DOセンサー" |
型 式 | DO-30N |
測定方式 | 採水/センサー部浸漬測定 |
表 示 | 3桁LCD表示 |
測定範囲 | 溶存酸素(DO):0~20mg/L 気中酸素(O2):0.0~30.0%(O2) 水温(TEMP):0~50℃ |
分解能 | 溶存酸素(DO):0.1mg/L(ご指定:0.01mg/L) 気中酸素(O2):0.1%(O2) 水温(TEMP):0.1℃ |
再現性 | 溶存酸素(DO):±0.2mg/L以内 気中酸素(O2):±0.2%(O2)以内 水温(TEMP):±0.2℃以内 |
温度補償 | 自動温度補償付 |
塩分補正 | 淡水/海水切替え機能付 |
周囲使用温度 | 0~45℃ |
校正方法 | 空気自動校正(ワンタッチ) |
電 源 | DC6V(単5 LR1×4ヶ) オートパワーオフ機能(30分後) |
外形寸法 | 本体:48(W)×32(H)×301.5(D)mm |
重 量 | 本体:約300g |
測定原理 | ガルバニ電極式 |
電極型式 | DOセンサー OX-V2(2ピン式接触子) |
プローブ構造 | 計器/プローブ一体化構造 |
検出器条件 | 水温:0~40℃ 共存部分:有機溶剤共存不可 流速:膜表面で流速1cm/sec以上 |
標準構成 | 本体DO-30N(乾電池付)、DOセンサー:OX-V2(本体プローブに装着)、 収納ケース |
標準外構成 | 専用測定器 |
※DO測定時にDOセンサーの隔膜表面で一定以上の流速が必要ですので、DOセンサーを軽く振って流速を与えながら測定してください。
DOとは
Dissolved Oxygenの略。溶存酸素の意味。測定単位はPPM又はmg/Lで表します。(JIS規格ではmg/L)
ppmとは
Part Per Millionの略。百万分の一の意味。mg/Lと同義語。1mgの酸素ガスが1Lの水に溶けていることを1mg/Lといいます。
1mg/Lの溶存酸素とは
約0.75cc(20℃)の体積の酸素ガスが1Lの水に溶解した状態を言います。空気の温度が0℃では0.7ccの体積になります。(ボイル・シャルルの法則)
DOは水の温度により飽和溶解度が異なります。
例:純水、1気圧の状態で、 20℃=8.84mg/L、0℃=14.16mg/L(飽和表参照)
DOは水(又は空気)の圧力によっても溶解度が異なります。(ヘンリーの法則)
圧力が1気圧のDO飽和溶解度が2気圧では倍になります。(17.68mg/L)
(水処理装置で深層曝気式浄化槽は酸素の溶解度が高い)
DOは炭酸同化作用によって増えます
水中に水生動物や藻等が生息していると夜間酸素が放出されDOが増えます。
DOの測定方法
ガルバニ電極法:酸素に対する透過性の高い隔膜(テフロン膜等)で、極と電解液とを溶液から隔離している。電極の材料として対極に卑金属、作用極に貴金属を用い、電解液としてアルカリ水溶液を使用するのが一般的である。このDOに比例した電流を測定し、濃度を測る。
ポーラロ電極法:作用極に貴金属、対極に銀、隔膜にテフロン系の膜、電解液に塩化カリウム溶液が通常用いられる。両極間に酸素の限界拡散電流を生じ電圧が印加され、隔膜を透過した酸素が作用極で還元され、DO濃度に比例した還元電流が流れる。外部電源要するので、残余電流がでる。
DO測定時に流速が必要な理由
隔膜法では隔膜を透過する酸素は電極内部で消費されてしまうため、一定の流速を与えることで酸素を隔膜の内側に供給し続けなければならない。隔膜の厚みによって必要な流速は異なる。
エアーキャリブレーション(空気校正)とは
飽和DO値の設定に当たり飽和DO水を使わないで酸素分圧の等しい空気を基準として100%、又はmg/Lの設定を行う最も現場に適した設定方法。
DO測定時の良くある質問
Q:曝気しているのに測定値がゼロを示す
A:溶存酸素の需要と供給のアンバランスに原因
バクテリアは酸素を呼吸源とし、有機物を食べて増殖し活性汚泥となります。
曝気槽に流入するBOD負荷(有機物)が多い場合、バクテリアは増殖し無限に酸素を必要とします。この場合、SV値が高い、MLSS濃度が高い等の現象で確認できます。
Q:DO値が高すぎる
A:曝気槽に流入するBOD負荷(有機物)が少ない場合、活性汚泥菌は食べる餌、栄養分がないので、いくら酸素を送っても増殖せず、活性汚泥菌の共食いが始まり、やがてバクテリアは消滅に至ります、従って、 バクテリアは酸素を送っても増殖せず、活性汚泥菌の共食いが始まり、やがてバクテリアは消滅に至ります。従って、バクテリアは酸素をそれほど必要とせず、ブロワからの総風量が一定とすれば、DO値は高くなります。場合によってはDOが過飽和になる場合もあります。
CODとは
水中に含まれる有機物質質量の指標の一つ。科学的酸素要求量のこと。CODとは、水中の被酸化性物質が酸化剤で化学的に酸化されるときに消費される酸化剤の量を対応する酸素の量で表したものです。酸化剤として、過マンガン酸カリウムや、重クロム酸カリウムを用います。
測定方法
酸性法:硫酸酸性にした検水に過マンガン酸カリウム溶液を加えて煮沸すると、検水中の被酸化性物質は酸化され、過マンガン酸カリウムが消費される。しかし、その反応速度は被酸化性物質の種類によって異なるので、本試験方法では、煮沸時間を5分間と限定している。
BODについて
水の汚濁状態を表す有機汚濁指標の一つ。生物化学的酸素要求量のこと。水中の還元物質が、微生物の呼吸作用により酸化される際に消費される酸素量。通常20℃、5日間で消費された溶存酸素量をmg/Lで表す。硝化細菌が多く増殖し、硝化の進んでいる試料では、通常のBODの測定により得られる値(標準BOD)は、有機物質が生物化学的に分解され安定化するために要する酸素量(N-BOD)の和である。
標準BOD=(C-BOD)+(N-BOD)
TOCについて
有機汚濁指標の一つ。全有機炭素ともいう。水中に存在する有機物質中の炭素量をmg/Lで表したものです。測定には主に燃焼-赤外線分析法が用いられます。少量の試料を高温(900~950℃)で燃焼させ、発生した二酸化炭素量を測定し、全炭素量を求めます。別の試料を有機物質が分解されない温度(約150℃)に保ち、生成した二酸化炭素量を測定し、無機炭素量を求める。全炭素量から無機炭素量を引いた量をTOC量とします。